桑田、イチローを制す

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桑田の目が生き生きしている。かつて“投げる不動産屋”と揶揄された頃とは、別人のようである。

松坂の破格の待遇にくらべ、マイナー契約であって評価は厳しい。少しでも出来が悪いと終わりである。

ところが、決死の覚悟で調整中に、アンパイヤーに激突して足を痛めた。現実のマウンドに上がれないまま、帰国する悲劇をだれもが予測した。

今日、それを乗り切ってのマウンドである。判官びいきのマスコミがイチローとの対戦を見守った。

誰の目にも、どうにも討ち取るのは至難の業とのおもいがあった。桑田自身も打たれるのは必至と観念していたろう。

結果は三振だった。

考えた末の投球だったと告白して、桑田はちょっと苦笑いした。混じり気のない、なかなかいい目だった。

「ともかく、今日はよかった。でも一度でもだめだとそれで終わりなんです。」という趣旨の、感情を抑えた発言だった。

めったに本音を言わないこの世界で、これは掛け値なしの本音だと、やや感動気味でコメントを聞いた。

どうもこの世は、建前をはずすと生活できなくなる仕組みになっているようだ。

年間、自殺する人の数は増加の一途という。本音を伏せて死んでいくひとも多かろう。

不用意に本音を語れば異様な目でみられる世のなかを、もう少し変えていこうとする動きがあってもいいようにおもうのだが・・・

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