競争的共存

skeeze / Pixabay

まずは興味深い実験成績を紹介する。

グルタミン合成酵素活性の高い(増殖の早い)大腸菌と、酵素活性の低い(増殖の遅い)大腸菌を一緒に培養すると、酵素活性の高い大腸菌だけが生き残ると思うのだが、何度繰り返してみても酵素活性の低い大腸菌がある程度生き残って、奇妙なバランスを保っているという(阪大 四方博士)。

つまり、細菌の世界では強いもののなかで、弱いものも健気に生き残って共存することを示している。

ある大企業の社長が、“企業を発展させていくのは全体の10%程度の人たちで、大半は会社にとって良くも悪くもない無害な人たちである。逆に企業の足をひっぱるような人たちが10%程度はいるもので、この人たちをいくら処分しても、残ったなかから新たに自然発生するため無くなりはしない。”といっている。

かくのごとき現象は、当院のように小さな組織でもしばしばみられることで、見方を変えれば、役に立たぬというべき存在はこの世にないという有り難いはなしになる。

これを培養実験の結果と比較すると、競争的共存という点では、人間も細菌も同じである。

また最近つくづく思うことだが、時間をかけて職員を教育し、熟成したシステムができあがると、先頭に立つものが事情で退職しても、自然発生的にあとを次ぐものが出現し、組織全体としては、レベルは落ちてこないという事実に驚かされる。

今の巨人は球界を代表するバッターを他球団からつぎつぎ引き抜いているが、なかなかおもうように勝てない。

清原(西武4番)も江藤(広島4番)もペタジーニ(ヤクルト4番)も、“自分しかいない”という意識はもとの球団にいたときほどではあるまい。

つまるところ、組織は内部から育てはぐくんでいかねば、十二分に機能を発揮できないと思うことである。

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